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日本滞在記

最後の日

ガイドさんが久しぶりに東京に戻ってきました。
なぜか顔がやつれて、痩せています。

【痩せたガイドさん】

「どうしたんですか?」と聞いてみると、どうやら大阪であまり食べていなかったようです。
自分ひとりで生活していたせいもあり、どこに何があるか、又何を食べるとおいしいのか日本の勝手がわからず、いつも同じものばっかり食べて食欲が減退したようです。
「毎日何を食べてたんですか?」と質問した所、毎日カップラーメンのうどん、ヨーグルト、食パン、親子丼、カレーなどを食べていたそうです。

またコンビニで売っているお弁当は必ず肉が入っており、漢字が読めないためそれが豚肉だかわからず、怖くて買えないとの事。

ガイドさんの様子を見に行くとエジプトから持ってきたテキストを広げ、日本語を勉強しています。そういえば、日本語がとても上手になっています。「元気ですか?」ときくと「ぼちぼちでんな」なんて答えます。
・・・誰に吹き込まれたのか、大阪弁がやたらうまくなっています。
エジプト人が大阪弁うまいなんて、お客さんにうけそうですね。
そういえばいつの間にかタバコがエジプトから持ってきたクレオパトラからマイルドセブンになって、日本に染まってきています。

【富士山への旅】
せっかくなのでガイドさんを富士山に連れて行く事にしました。
夏山の富士山はあまり綺麗とは言い難いのですが、同行者は外国人にはどうしても日本の象徴である富士山を見せたいと言っています。
早起きして車で連れて行くことにしました。
我が家から富士山までは片道3時間。
途中の景色にガイドさんは感激しています。

日本は自然が多く、綺麗だと感激していました。
まずは河口湖のほとりに到着、富士山が綺麗に見えるのを待つことにしました。山頂に雲がかかってなかなか綺麗に見えません。
あきらめて川辺の近くを歩くことにしました。

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魚の形をした船を見て珍しかったせいかガイドさんは写真に納めていました。

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その後富士スバルラインを通って、富士山に行きました。

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近くで見る富士山は彼にとって感無量の様です。
「エジプトはすべて砂漠です。日本の自然はとても綺麗です。でも日本の自然は厳しいですね。」と言っています。
厳しいという意味を聞いてみたところ、新潟の洪水をテレビで見たり、この日本の湿気が多く、蒸し暑い夏の天気はエジプトと比べても相当厳しい自然だと思っているようです。
エジプトも十分厳しいと思うけどな。

みーちゃんは「いや、だからこそ、この美しい自然がここ日本にあるんですよ。」というとガイドさんはエジプトが懐かしいのか、日本を去るさみしさからかしばらく日本の自然に浸っていました。

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【エジプトで生きるということ】
みーちゃんはその夜買った桃を食べることにしました。エジプトに桃があるか聞いた所、日本より小さいですがエジプトにも桃はあるそうです。
早速切ってガイドさんに渡すと、皮をむいて小さく切ったももはあまり気に入らなかったのか、新しい桃が欲しいといっています。
え??と思い、新しい桃を渡すと、何と丸ごとかぶりついています。
みーちゃんはびっくりして「皮は取らないんですか?」と聞くと、エジプトの桃は小さいから丸かじりしてしまうと言っています。みーちゃんは、「日本人は皮はむきますよ。みーちゃんは皮は食べません」と言いました。

又エジプトは徴兵制度があり、男性は大卒者は1年間、高校卒業者は3年間の徴兵義務があります。彼は軍隊にいた時の思い出話を始めました。
軍隊はとても厳しく、相当つらい経験をしたそうです。訓練の一つで、ある日突然砂漠にほおり出され、3日間全く水も食べ物を与えられずサバイバルをするという練習があります。
あまりの空腹と喉の渇きのため、多くの人は目についたものは何でも食べてしまうそうです。ガイドさんは草を食べ、ガイドさんの友人は蛇を食べたそうです。
あの時を思い出すと気がひきしまるといっていました。
これにはみーちゃんは唖然です。

みーちゃんはふとエジプトのデルタピラミッドホテルであった背の低いエレベーターボーイを思い出しました。

<蛇足>
デルタピラミッドホテルで会ったエレベーターボーイはみーちゃんよりも身長の低い17歳の少年です。
詳しくはエジプト旅行記をお読みください。

あの時に思った事と同じ事が頭によぎりました。
日本人で明日の食べ物に困る人はほとんどいません。

毎日食べ物を食べ、当たり前のように残した食べ物を捨てているけれど、
いつのまにか食べ物を大切にする心は忘れてしまったかもしれない。

この豊かな日本で日本人は何か大切なものを忘れかけているような、、、、そんな感覚に襲われました。

最後の日に新宿まで買物に行きました。
デパートで水着が売っています。
ビキニがたくさん展示してあります。

ガイドさんはじーっと見つめて
「あれは下着ですか?」
「いえ、水着です。」と答えました。
「・・・あれは下着ですよね?」・・・あ、信じられないんですね。
「いいえ、下着に見えるかもしれませんが、水着です。」というと信じられないといった顔で見ています。

エジプトでは水着はああいったものは着ないですよね?
(イスラム教の国のため、肌の過度露出は厳禁です)と聞くと絶対に着ない、ありえないといっていました。

昼食後にカメラを買い、その後100円ショップに行きました。
100円ショップは彼にとってパラダイスだったようです。
ボールペンに始まり、スリッパ、サンダル、メモ帳、ネクタイ、フィルム等を買いまくっていました。特にボールペンとシャープペンの両方のペンはエジプトにないそうで何本も買っていました。
会計はなんと4500円!
しかし自分のものはほとんどなくすべてお土産だと言っていました。

また、傘を買っていたので「もう持っているのに何で買うんですか?」と聞いた所、
エジプトは暑いので日傘として使いたいと言いました。
「これは雨用の傘ですよ。」というと、意味がわからないようです。
どうやらエジプトには日傘というものは存在せず傘であれば何でも良いそうです。何とアバウトな・・・

あまりにもお土産を買ったので、ガイドさんに「お友達へのお土産ですか?」と聞いて見たら、このお土産は家族がほとんどだというのです。
いったい何人家族がいるんだろう?と不思議に思ったところ、「私の家族は9人です」との返事。

9人!!!
みーちゃんはびっくりして腰を抜かしてしまいました。
両親と、子供が7人もいるそうです。

みーちゃんは恐る恐る「全部あなたのお母さんが生んだんですか?」と聞いてみると「はい」と間髪入れず答えが返ってきました。

しかし、7人も一人の女性で子供を産むなんてすごすぎる!!

イスラム教では4人まで奥さんを持って良いことをみーちゃんはしっていたため、「エジプトで奥さんは何人も持って良いんですよね?」と聞くと
「確かにそうですが、現代はひとりです」との事。今日のエジプトでは奥さんは普通は1人で、何か問題がないと複数奥さんを持つことはしないそうです。

ガイドさんのおじいさんは1人目の奥さんと結婚しましたが子供がすべて女の子(しかも4人!)しか生まれないため、困ってしまい、もう一人奥さんをもらったら今度は男の子ばっかり生まれたそうです。

でも、その奥さん2人と子供達は兄弟として仲良くくらしていると言うのです。
全く感覚が違いますね。
現在のエジプトでは奥さんを2人もらうことはあまり尊敬の対象とならないため、ほとんどの家庭は奥さん一人だそうです。

日本は今は子供が1人かもしくはいない、しかも結婚していない女性も多いですよと言ったら、彼はエジプトに旅行に来ている日本人を見て知っていたようです。
エジプトではみんな女性は20歳の半ばには結婚してしまうので考えられないと言っていました。

こうして長い日本での滞在を終え、エジプトに旅たつ日がやって来ました。

ガイドさんは何の不思議もなさそうに普通にマイルドセブンを吸い、大阪弁を使い、電車の中でうたたねし、すっかり日本人化してきています。
そして、電車に乗るとアナウンスのまねをして「ご乗車ありがとうございます」なんていっていました。

良い友人に囲まれ、たくさんの場所を訪れた日本での滞在は彼にとって、
とてもよい思い出となったようです。

こうして、遠いアフリカからの来客は自分の故郷へと旅たっていきました。